【FX】エリオット波動をかじる – 基本規則と周期

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エリオット波動。名前は知ってましたが数ヶ月前までトレード中に意識をしてませんでしたし、法則について学ぼうともしていませんでした。

とあるきっかけから、トレードに活用すると凄く目線の固定をし易くなることとフィボと組み合わせることで利確・損切りの目安も決めやすくなることに気付いて成績も向上してきました。

ざっくりした概念しか分かってなくても有用でしたが、今一度学習し直してみようと思いましたので記事にまとめていきます。調べれば調べる程細かく色々なパターン・名称などが出てくるのですが、そこまで詳しく理解していなくとも基本原則だけで十分役に立つと思っています。

個人の見解も交えた内容もありますが、トレードをするのであれば基本原則は知っておいて損はないと思いますので頭の片隅に留めておくと良いと思います。今回は基本原則に絞った内容にしています。

 

エリオット波動とは

ざっくり言うと世界中の多くの投資家が意識している、価格の動き方の規則です。昔のどこぞの凄い投資家が定義したとかなんとか。

多くの投資家が意識しているので、自然とチャートの形もその規則に従った値動きをしている様に見えます。これはトレンドラインや水平線と同じ考えだと思っています。トレンドラインや水平線は、多くの人が同じ様なラインを意識する事によって誰かが操作しているかの如くそのライン付近で必ず売買の攻防が起こります。

ラインに触ったから決済だ!

っていう人と

ラインまで来たからエントリーだ!

っていう人がこの攻防の主役ですね。更にはその近辺でのプライスアクションを見て

危ないから決済しよう!

とか

チャンスだから乗っかろう!

って人たちがプライスアクションを加速させて、しまいにはロスカットを巻き込んで片方の方向へ大きく抜けて行きます。意識している人が多ければ多い程、大きな攻防が起きて大きく抜けて行きますね。

エリオット波動もこれと同じ現象なんだと思っています。多くの人が意識しているからこそ

3波目っぽいから今は買いかな

とか

4波目になったっぽいから決済しようかな・・・

とかいうそれぞれの思惑が働き、その結果としてエリオット波動の規則に近づく様な値動きをしてチャートが形成されていくと思っています。

 

よく初心者は順張りが良いとかトレンドに乗れとかいいますが、トレンドに乗るとは世界中の多くの人達と同じような意識を持つことでその動きに着いていく事だと思っています。ですから世界中の多くの投資家が意識するエリオット波動理論は、トレンドを見極めてトレンドに乗るにあたって非常に重要な内容の1つであると言えます。

 

エリオット波動の規則

エリオット波動では、下記画像の様に推進波と呼ばれる5波動修正波と呼ばれる3波動が1セットで1周期であるとされています。

エリオット波動_1周期

上記画像の場合は上昇トレンドの1周期になります。5波の推進波を原則に従って描きながら上昇していき、推進5波目が終わると3波の修正波が発生します。基本的に修正波は推進波とは逆の方向に進みます。

修正波までが終わると1周期完結となり、次の新しい周期が始まります。次の周期が上昇トレンドなのか下降トレンドなのかは、現時点ではわかりません。

 

推進波の基本原則

規則の方で出てきた推進波には基本原則が3つあります

A. 1,3,5波の中で3波が一番短くなることは無い
B. 2波の終点は1波の始点を下回らない
C. 4波の終点は1波の終点を割り込まない

この3つの原則を全て満たしている推進波を衝撃波またはインパルスと呼びます。そうではない推進波はダイアゴナルと呼びます。

今回はダイアゴナルに触れませんが、上記の原則を1つでも満たさなければインパルスの形にならないんだな!って思っておけば大丈夫です。ダイアゴナルでも推進波であればBの原則は守られると思います。

では、画像を見ながら基本形であるインパルスの特徴を確認していきます。

エリオット波動_基本原則

 

Aに関しては、画像の様に3波目である③の長さは①や⑤よりも長くなるということです。そして3波目は一番価格が伸びる事が多いとされています。一番短くなることはなく一番伸びる可能性が高い為、3波目を狙え!と言われる訳です。その理由は後述します。

Bは2波目の終点が1波目の始点(下の青線)を下回っていない状態のことです。始点まで戻る事もありますが、基本的には始点に到達する前に3波目へ移行する事がほとんどです。2波の終点が1波目の始点を割ってしまったらそれは推進波の1-2波目である事の否定であると考えて良いと思います。

Cは上の青線の様に1波の終点と4波の終点が横線で交わらないという事です。実際のチャートを見ているとヒゲで割り込んだりしている事も多く必ずしも守られる訳ではない様ですが、その場合はダイアゴナルになる可能性を考慮してその後の展開を考えて行けば大丈夫です。

この様にインパルスは基本原則を3つとも満たした形になります。そしてそれは世界中の多くのトレーダーが意識している共通概念なのです。共通概念だからこそエリオット波動理論は有効に機能するのです。

 

修正波について

私がエリオット波動を学んでいく中で、この修正波の捉え方が一番理解出来ませんでした。というよりも今でもよくわかっていません(笑)

一応基本形としては3波動で形成されるとされていますが、実際のチャートで見て行くと全然そんな事ないと思います。そして修正波について調べると色々なパターンが定義されており、初めのうちは

あ、このパターンかな?

なんて認識は出来ない事の方が多いんじゃないかと思います。綺麗なN字や三角持ち合い・フラッグの形とかになってくれれば割と認識しやすいんですけどね。

なので、レンジの様に良くわからない動きをしている間は全て修正波かな?程度で考えてます。分からないモノを必死で見極めようとしても時間の無駄ですから。

いずれどちらかの方向にブレイクして動き出しますから、その時に新しい周期が始まったのかな?じゃあこれは推進1波かな?なんて捉える事が出来れば十分にエリオット波動は役に立ちます。

 

実際のチャートで見つけてみる

なるべく綺麗なインパルスを探したいと思ってチャートを見ていたのですが、やはり実際のチャートで綺麗な形を見つけるのは大変ですね。

個人的な感覚ですが、1時間足/4時間足/日足ぐらいが一番波形を見極め易いのではないかと思います。あまり短い時間軸ですと瞬間的な値動きで形崩れし易いですし、長すぎても綺麗な形で捉えられない気がしています。

では実際に探してきたチャートです。まずはNZDUSDの1時間足。

エリオット波動_NZDUSD

このインパルスは5波目が一番伸びていますね。

・2波目が1波目の始点を割っていない
・1波目の終点のラインが綺麗に4波目の終点になっている
・3波目も1波目よりやや長く、3つの上昇波の中で最短ではない

3つとも綺麗に満たしているので、これはインパルスと捉えて良さそうです。実際のトレードに活かすには、なるべく早いタイミングでインパルスが形成されそうか?という事に気付けるかがポイントだと思います。

続いてはもう少し踏み込んで見て行きます。ドル円日足です。

エリオット波動_USDJPY

波の捉え方に正解は無いと思ってますので、個人の見解が含まれている事はご容赦ください。

まずは下降の推進波が5波(白線)で形成されています。3波目が一番伸びてますし、結構綺麗に全ての原則を満たしている良い形だと思います。その後に修正波が4波(青線)で形成されています。

あれ?修正波って3波じゃなかったっけ?

って思ったアナタ!そうなんです。先ほどお話した通り、全然3波にならない事も多いのです。修正波の捉え方はこの後の章にも繋がるのですが、私は修正波は3波で終わるという規則は外して考えています。3波で終わるかもしれないね程度の認識です。

捉え方によって様々ですが、下降5波を一番最安値までとしなかったのはエリオット波動の周期を意識した事と私的見解によるものです。私は、周期と周期の間には何かしらの修正波は必ず存在すると思っています。その分を考慮&5波目の値幅を考慮して図の位置までとしました。

今回のドル円サンプルで言うと、下降推進波の後は緩やかな下降チャネルを形成しながら修正波期間を消化していると捉えました。そしてチャネルを上抜けた所で次の周期が始まったと、上昇トレンドが開始なのだと捉えています。

で、そこから上昇推進波形成。こちらも3原則を満たしておりインパルスの形、そしてこちらも3波目が一番伸びてますね。この様にしてエリオット波動の周期と周期は変遷していくのだと考えています。

 

3波目を狙え!の理由

既に気付いている方・知っている方も多いと思いますが、3波目を狙うと良いとされるのにはちゃんと理由があります。3波目の特徴ってなんでしたっけ?

・1番伸びる可能性が高い
・1,3,5波の中で一番短くなることはない

この2つですよね。実際のトレードをするにあたって、この2つから考えられるメリットが2点あります。

まず1つ目は、一番短くなることはないということは必ず1波目と同じ以上の値幅は動くということ。という事は3波目の初動を捉えてエントリー出来れば、1波目とほぼ同じ値幅を取れる可能性が高いということです

実際のトレードでは2波目時点では3波目は形成されていない訳ですが、この特徴を知っている事で3波目が形成され始めたらどのくらいの長さになるかを予測する事が可能になります。

次いで2つ目は、1波目より伸びる可能性が高いので大きな値幅を取れる可能性が高いということ。実際にドル円のサンプルチャートでは3波目が1波目よりも大きく動いており、流れに乗れていればそれだけ多くの利益を獲れていたことになります。

これらの理由から、3波目を狙うと良いとされているのだと思います。

 

周期の変遷

私が一番悩んだのがこれ。1周期が推進波→修正波で完結するのは分かったのですが、前述の通り修正波が3波という事を意識し過ぎていつ次の周期が始まったと捉えて良いのかが分からなかったのです。

修正波が必ず3波であるとすると下図の様になります。

エリオット波動_トレンド継続

この様に直前周期のトレンド、図で言うと上昇トレンドが継続するのであれば修正波が3波でも納得出来ます。でも相場は一方通行ではないので、必ずどこかでトレンド転換しているハズです。でも修正波が必ず3波だと考えていると絶対にトレンド転換出来ないのですよね。

ではトレンド転換の場合に修正波はどうなるのかを考えてみました。

エリオット波動_トレンド転換_01

これはパターン①。修正3波目と次周期の推進1波目が被っています。というか被らないとトレンド転換出来ませんよね。トレンド転換示唆の形として認知されているダブルトップの時なんかはこんな感じになっている事が多いんじゃないかと思います。

修正2波が高値更新できず、修正3波目(推進1波目)で安値を更新してトレンド転換示唆。そのまま推進2波目も高値更新が叶わず(又は修正1波目の終点にすら届かず)に下降トレンド開始。みたいな。

これならば修正波が3波だという原則からは逸脱しますが、トレンド転換して次の周期が始まったんだなと捉える事が出来ると考えました。

続いてパターン②。

エリオット波動_トレンド転換_02

これは修正波が完全に3波を超えてるっしょ!って見える時のパターンです。図ではレンジになってますが、三角持ち合いになったりフラッグになったりと様々な形を形成します。

トレンド転換示唆のトリプルトップとかは図の様な感じになってる事が多いかと思います。こういったパターンでもレンジなどをブレイクする事でその方向へ推進波が始まる、つまり次周期が始まったのかな?と捉える事ができますね。

 

結局のところ私は修正波が3波であるという事に囚われ過ぎていました。ですから修正波が3波であるという概念は捨てて、修正波らしき動きをブレイクしてトレンド転換の動きが見えた時点で次周期が始まったと捉える事にしました。それが正解かはわかりませんが、それによって周期の見極めと目線の固定は出来る様になってきたと思います。

 

まとめ

基本の基本だけでまとめようとしたのですが、案外長くなってしまいました。本当は推進2波目がどの程度まで戻すか?推進3波目はどこまで伸びるか?エクステンションの法則なども書きたかったのですが、それはまた別の機会に。あまり一度に詰め込むのも良くないですから。

エリオット波動の基本として、個人的にとりあえずこれだけは覚えておいた方が良いと思うのは

・1周期は推進波→修正波で完結する
・A. 1,3,5波波の中で3波が一番短くなることは無い
・B. 2波の終点は1波の始点を下回らない

この3つです。付け加えるなら修正波の数を気にし過ぎるな!ですね(笑)

1周期の流れを意識する事で、次にどうなるか?どんな値動きを待てばよいか?という事がクリアになります。Bの原則を意識する事で3波目の初動を捉えやすくなり、その先に形成されるであろう推進波の形状を予測する事が出来ます。Aの原則を意識する事で、どれ位の値幅が狙えるかがクリアになります。

この3つを意識するだけで、利益を獲れる所が結構沢山あるんだなーという事に、私自身数ヶ月前にやっと気付きました。後はエントリー・決済共に良い所までしっかり待つ、欲張らず謙虚に。それを徹底するだけでも自分にとっての聖杯になるなと思っています。

今までエリオット波動を意識していなかった人・よく分かっていなかった人も、この記事を機にエリオット波動を意識してチャートを見る様にしてみたら今までと違った景色が見えるかもしれません。

誰かのヒントになれば幸いです。

読んでくれてありがとうございました( ;∀;)

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コメント

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  3. […] エリオット波動の基本規則と周期でお話した波動を考察するにあたって、フィボナッチとの関係性は切り離せないものになっています。 […]

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