過去の話にはなりますが、2度目のIT業界を離れる際の経験談をまとめました。
それまでに2回転職を経験しており絶対に退職出来る事はわかっていたので不安はなかったのですが、今回は割としつこく説得されたり弱めの脅し話もされた新しいパターンでした。
ですから同じ様な境遇に出くわした方の為に、どういう話をして振り切ったのか?計画通り退職出来たのか?などを書き留めています。
まず、退職出来るかどうかに不安を感じている方は「【退職】仕事を辞められるか不安なあなたに贈る、絶対に辞められる4つの方法。」の記事を読んでみてください。
退職時の職種など
前述の通り当時はIT業界に身を置いており、社員数100人程度のSES企業で働いていました。私は自社から4名を派遣している全体で10数名のプロジェクトに参画していました。
立場的には下請け何でも屋ですね。新規でプログラムのコードも書きますし、既存コードの修正やテスト実施やドキュメント作成にサーバーリプレイスなどなど色々関わらせて貰えましたので業務自体には満足していました。
ではなぜ退職したのか?
退職理由
細かい退職理由は「【転職】SESに出戻りして感じた嫌な事・辞めた理由」に書いてます。
かいつまんでリストアップするとこんな感じ。
・帰宅後の日報作成&提出に納得がいかなかった
・自社作業を持ち帰り休日にやらなければならなかった
・休日にはその他にも資格取得学習(半強制)もやっていた
要は軸となる客先業務以外にプライベートを食いつぶす時間が多かった訳です。自社作業は家でやる(当然無給)って何それ?って思いが強かったですね。
前職のパチンコ業界退職理由が、激務による疲弊と大量残業によりプライベートタイムを充実させられなかった事にありますので今回も結果的には似たり寄ったりですね。
資格取得に関して時間を割くのは覚悟していましたが、強制されるとプライベートが充実しないというモノ。一応半年で2つは取得したのですが、その後はやってるふりしかしてませんでした。
1年ほど在籍していましたが、正直半年くらいで精神的には結構キてました。休みの日も自社向けの資料作成や資格取得勉強に追われて精神的に休めないのはキツいです。
IT業界の仕事は好きでしたが、SESはどこもこんな感じなのかな?自分程度が入れる開発会社にまともな会社はないのかな?・・・と、絶望したのをよく覚えています。
結果的に楽しかった思い出が多く、業務的にも慣れているパチンコ業界で再度探すことになります。
退職の意思を伝える
現職を続けながらもコソコソと転職活動を始める訳ですが、毎度この頃が辛いですね。何の仕事をすれば良いのか迷い・書類に落ちまくり絶望し・内定が取れるのかの不安と戦い。
内定取れたら取れたで、本当にこの会社で大丈夫なのか?と疑心暗鬼になったり・・・。私、会社を見る目が無いようなので。
とまぁその話は置いておいて、、、内定獲得後は退職理由をなんと伝えればよいか考えました。
退職理由のウラオモテ
今回は退職理由を老齢になった母の面倒を見なければならなくなった為としました。老齢は本当ですが介護や看病するほどではないんですが、そういう理由の方が角が立たずすんなり諦めてくれると思った訳です。要は表向きの体裁悪くない理由ですね。
裏側の理由としては先程列挙した理由が有る訳ですが、「自社の作業形態や教育形態がクソ過ぎて全然家族との時間も楽しめないんで辞めまーす!」って言っても「そうか分かった仕方ない!」なんてならないでしょうしね(笑)
極論、退職理由なんてなんでも良いのです。嘘で全然問題もありませんし負い目を感じる必要もありません。ただ話す内容に少しの真実を混ぜておくと、いざという時に自分が話しやすいかと思います。
いざ、上司に報告
という事で、10%の真実と90%の嘘で作られた退職理由を引っ提げて退職の申し入れを行いました。まずはメールにて少々お時間頂けますか?のお伺いを立てます。
客先常駐でしたので、客先にあるオープンスペースに人がいない時間帯に集合になりました。
退職の話をする際は、基本的に周囲に人がいない場所・他人に聞かれない場所で話した方が良いです。お客様や同僚に聞かれてもメリットはありませんので、配慮しましょう。
約束の時が来たので、「退職させて頂きます。」と伝えました。まずは理由も告げず伝えて、相手の出方を見たかったのです。
一旦、ここでは話せないので後程外で話しましょうとなります。
内心は「何言われても意思は曲げないから話すの凄く面倒だなー」と思っていましたが、上司の顔も立てないといけないのでとりあえず大人しくお話聞きますか!という事で了承します。
もちろん今回も全て録音してます。(笑)
極論ここで「いや、もう退職の意思は伝えましたので他に話す事はありません。対応お願いしますね。」で話を終わらせても辞められますが、メンタル相当強くないと出来ないですね(笑)
それと、一応上司としての立場も考えてあげた方が良いかなと思います。上司は更に上司から「なぜ辞めるのか?」「説得はしたのか?」「どんな話をしたのか?」などなど聞かれるハズですから、辞めます!→即、OK!なんて事に基本的にはならないハズです。
引き止めされる
お昼休憩。近くのカフェにて集合して続き話を再開です。
当然退職理由を聞かれましたので、実家近くで働いて母の面倒を見る為ですと伝えました。
理由が理由だけに、すんなり行くと思っていたのですがまさかの引き止めが入ります。
- 実家から通いながら続けられるんじゃないか?
- 早出早上がりの勤務にすれば続けられるんじゃないか?
- 出勤日数を減らせば対応出来るのではないか?
- 他に面倒を見てくれる人はいないのか?
などなど。
あれ??すんなり行くはずがちょっと想像と違ったなぁと思いましたが、この後の準備もしていました。
引き止めされた場合に話すべき内容
今回、万が一引き止めされたり退職理由を深く突っ込まれた場合を想定し予め嘘に真実を混ぜた話を想定しておきました。
例えば私の場合は
- 母の病院の診察時間・曜日が固定で決まっており、火曜と金曜は出社不可です。
- 平日出勤出来ないと給与が減り生活もままならないので現職の継続は困難です。
- 知人に仕事を紹介してもらい、看病の合間を縫ってフルに働けて給与も申し分ない仕事が見つかっています。
- 両親は離婚しており、兄弟も現在病気療養中であるため母の看病までは出来ない。
といった感じに考えていました。100%嘘で作った内容はありません。そして、それぞれ話の筋が通っている・リンクしていると尚良いですね。
また、当然ですが話を創造する時は「現職では叶えられない」内容にするのが望ましいです。これはかなり大事なポイントです。
そもそも退職するという事は現在の環境では叶えられない何かを叶える為である事がほとんどかと思いますので、退職理由も同様に叶えられない内容が望ましいです。
今回の例で言えば、火曜と金曜が出社不可となった場合。
現職においては平日しか出勤が無い為、平日5日のうち2日休みとなると業務に支障を来たす&給与が減る。これはほぼ確定的で避けられないですね。週3日しか来なくていいけど給与は据え置きにするよ!って言われたらそれはそれでラッキーかもしれませんが、まずないでしょう(笑)
看病に合わせた勤務体系にしてくれる・給与も変わらない仕事が既に見つかっている場合、あなたが余程有能な人材でなければ、同等の対応をしてくれる・出来る会社は無いハズです。
この理由なら会社は対応出来ないだろう・会社にメリットがないだろう。という所から、理由付けをすると考えやすいかもしれませんね。
人間関係や業務内容が嫌と言ってしまうと、改善するとか部署を変えるといった方向で相手に付け入る隙を与えてしまいます。ですからなるべく会社が手を出せない部分、例えば家族や病気などの待遇面など問題点を据えた方が良いと思います。
ただ、給与に不満があって辞めようとしている場合はストレートに伝えても良いかもしれません。給与に関しては目に見えてハッキリ改善が分かりますので。改善出来ないなら予定通り転職すればいいですしね。
最後は折れない心
前述の様に事前に想定出来るものは用意しておいて話に臨んだのですが、今回の上司は一向に引きませんでした。
最終的に後日改めて話すので、何とか出来ないか検討してみてと言われる始末。こちらとしては何ともする気もないのですが。。。
今までの関係が良好であれば引き止めの話で心動く事もあるかと思います。しかし基本的には何かに耐えがたくなって退職を決意しているハズですので、一時的に思いとどまってもまた同じ気持ちになる可能性が高いと思います。
恐らく更に上司と相談する時間が欲しかったのだと思います。当然退職の意思は変わりませんので、特に新しく検討することもなく再戦を迎えました。
再戦は
- こちらに合わせた勤務体系は全ては叶えられない(当然)が、ある程度対応可能
- 給与面も減ってしまうが、ある程度は対応可能
という話から入っていきました。ですが譲歩して頂いても辞める意思は変わらないのです。既に次が決まってますから。そしてある程度と言われましても・・・といった所ですね。それだと私にメリットがないじゃないかと。
迷惑かけるのも忍びない・給与が減ってはキツイという感じで、ゴメンナサイ無理ですの意思表示を貫きました。そうすると、無理だと悟ってイラついたのか「今のお客様に迷惑が掛かる」「契約の途中だからすぐには辞められない」といった対お客様を引き出して話をしてきました。
待ってました!
- お客様に迷惑が掛かる
- 契約を途中で切れない
- 抜けると○△円の損害が出る
これ全部、基本的にこちらには関係ありません。
契約が~云々 → SESの場合、会社とお客様がした契約であって個人は契約を結んでないです
~損害が → 特殊な契約をしていない限り、退職による損害賠償請求はされません
といった具合に基本的に全無視でOKです。
ですから「それは私が対応する問題ではないですよね?」というスタンスで全部お返事致しました。だってその通りですから。
それでも上司は「なるべく会社の損害を出したくない」「自分の評価に関わる」という所からでしょうか、なかなか諦めません。ですが私も諦めません。何を言われても鉄の意志。「申し訳ございません、引き延ばすのは無理です」で押し通しました。
途中からやりとりがめんどくさ過ぎて、ちょっと伸ばしてもいいかなーなんて思いもしました。ですが気持ちが乗らない仕事なんて双方にとって良い事は一つもないですから、さっさと辞めるに越したことはないですね。
ちょっとヒートアップしてた上司様もこちらの折れない態度に諦めたのか、最終的には分かりましたと相成りました。よろしくお願い致しますと言ってフィニッシュです。
まとめ
今回はSESを離職するケースでしたので万人に共通する状況ではなかったかもしれませんが、ポイントとしては以下となります。
・話す内容は嘘でも良いが、真実を混ぜると良い。
・決意した以上、意思を貫く。引き止めや譲歩には揺らがない意思をもつ。
退職の話をする際は大体次の仕事が決まっているケースが多いと思いますので、一番最後の意思の強さが肝心ですね。また考えていることをしっかり伝える勇気も必要です。
しつこく慰留されて気持ちが揺らいだ結果、退職を伸ばす・取りやめるとなると最悪のケースを想定しておかなければなりません。
・内定承諾していた場合、先方に多大なる迷惑をかける。
・しばらくして結局やっぱり退職したい気持ちが強くなり後悔する。
当然ながら1度内定辞退等した企業は次は受けられないでしょう。凄く良さそうだと思っていた企業を断ったが故に次の転職活動で妥協した企業に転職した場合、一生後悔する気持ちが付きまとうかもしれません。
一旦は続ける気持ちになったとしても、多くの場合は高確率でやっぱ退職したい・・・と感じてしまうと思います。その場合は過去の自分を悔やんでも悔やみきれないでしょうね。
そうならない為にも、一度決めたら退職して新しい環境で頑張るんだ!という強い意志を持って退職の話を進める様心掛けましょう。
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