前回の記事ではエリオット波動の基本規則と周期について書きましたが、今回は基礎からの派生という事でエクステンション(拡張)についての記事です。
前回の記事はコチラ
【FX】エリオット波動をかじる – 基本規則と周期
エクステンション(拡張)とは
まずはエクステンションがどういうモノかについてです。
前回記事でお伝えした通り、推進波は5波で形成されます。そして順張り方向に伸びる波は1・3・5波になりますが、そのうちの1つが名前の通り拡張して伸びる事をエクステンションと呼んでいます。
画像の様に、大きく捉えると3波だけどその3波を細分化すると5波が形成されている。結果的に3波が一番長い。または5波や1波がエクステンションしていて長くなっている現象の事を指す。
このエクステンションにもルールが存在する。
②その名の通り拡張するので伸びた〇波は長くなる
③3波で一番発生しやすく、1波が一番発生し辛い
③のルールがつまり、エリオット波動理論では3波が一番短くなる事は無い。に繋がっている事になりますかね。エクステンションする可能性が高く長くなり易いわけですね。
実際のチャートで探してみる
本当にそんな事になっているのか、とりあえず実際のチャートで探してみましょう。
ドル円1時間足
3波がエクステンションしている様に見えます。割と綺麗。
ユーロ円1時間足
こちらも3波エクステンション。こちらも綺麗。まぁ、綺麗に見える部分を探したんですが。
ポンドドル1時間足
こちらは5波エクステンションに見えます。
ニュージードル1時間足
こんな感じで、エクステンションした推進波は値幅的に長くなることが多いです。
ブログ用に探してて気付いたのですが、もしかするとクロス円は3波がエクステンションし易くてクロスドルは5波がエクステンションし易いとかもあるかも知れませんね。
なぜエクステンションが起こるのか?
これは私なりに考えた結果ですので実際は知りません。というか知ってる人がいるかもわかりませんが。
理由は2つ。
2つ目は「見ている時間軸の差で、推進5波が始まったと思う人がいる」から。
この2つだと思っています。1つ目は言わずもがな、前回記事でも書いたように多くの投資家が意識する事で自然と形成されていくという事。
2つ目は今回のサンプルに出したドル円で言えば1時間足で見てエクステンションしているのは3波目に当たりますが、下の時間軸の30分や15分などで見ている人の中には1時間足3波目の始点が推進派1波目の始点だと思う人がいるからという事です。
そこを1波目だと思う人達は
次は2波目なのでは?
これから3波目が来るのでは?
みたいな感じで、ここでも推進波が形成されていく訳ですね。そしてエクステンションが発生すると。
何で1・3・5のうちの1つでしか発生しないかは知りませんが、結局はそういう認知を世界的にされているからという事なんだと思います。
エクステンションの見つけ方
まぁ後付け理論なので完成されればあぁそうだったのかと思えるのですが、これをリアルタイムで見付けるのは中々難しいと思います。ただ、見付けることが出来れば理論的にはその後をある程度予測する事も出来ます。
ではどうやって見付けるのか?
1波目に発生する場合は正直気付き方が分かりません。諦めましょう。ただ、3または5波目に発生する場合には気付く方法があります。
例えば先ほどのユーロ円ですが
こんな感じでラインを引くと分かります。
次いでポンドドル。
わかりますか?
まず、1波目の始点とする所から2波目の終点を結んだラインを引きます。続いてそのラインと並行のラインを複製(MT4・5なら対象オブジェクトを選んでCtrl + ドラッグ)します。そして複製したラインを1波の頂点に当てます。そうする事で平行チャネルを作成することが出来ます。
そうすると多くのケースにおいて、エクステンションした波は、作成した平行チャネルをブチ抜いてきます。上のドル円で言えば3波の頂点がチャネルを上抜いてますね。白丸の所です。ポンドドルも同様に5波目の頂点が大きく上抜いてます。
まぁ推進波をしっかり捉えてチャネル作成しないとダメですし、捉えてても全てが全てこんな綺麗に型にハマる訳ではないですが。でもこうする事で3波目・5波目のエクステンションには気付ける事があります。
エクステンションのルールを活かす
さて勘の良い方はお気付きかと思いますが、エクステンションの見つけ方が分かると少しだけ未来を予測出来るケースがあります。
それはなぜかと言うと、エクステンションのルールに「推進波の進行中に1・3・5波の何れか1つにだけ発生する」というものがあるからです。
どういうことか?
先程のユーロ円のケースでいきましょう。この場合3波目が平行チャネルを突破してますので、「あ!3波目がエクステンションしたっぽい!」と気付く事が出来ます。それに気付ければ先程のルールに照らし合わせると、「5波目はエクステンションしない」という事が予測出来ます。
という事は5波目の値幅は3波目に比べて短く終わる事が予想されますので、5波目の終点で利確を狙った場合には5波の値幅が伸びない前提で早めに決済してもいいかもしれません。
次はポンドドルのケース。こちらは3波目もチャネル内に収まっており、1波目も3波目もエクステンションしていない様に見えます。なのでルールに照らし合わせると「5波目がエクステンションする」という事が予測できます。これは大チャンス。
という事は、5波目の値幅は3波と同等かそれ以上の値幅が期待出来ます。利益を伸ばす、または4波目の終わり付近から積極的に5波目を取りに行っても良いかも知れません。
3波目でエクステンションしていない事に気付き5波目の利益を取りに行く。
活かせるのは主にこの2パターンかなと思っています。
こうしてエクステンションのルールと気付きを活かすことで、より良いトレードが出来る可能性が高まりますね。
おわりに
一応エリオット波動理論で言うとレバレッジのない現物チャートにおける事象というのが前提っぽいので、大きくレバレッジの掛けられるFXにおいてはそんなに綺麗な形で確認出来る事の方が少ないと思います。エクステンションの形が綺麗になる事は尚少ないのではないかと思います。
そして理論を知っていてもやはり実際にリアルタイムで気付くのは中々難しいです。しかし平行チャネルを引く事で、チャートの形が綺麗じゃなくてもエクステンションに気付くことも可能です。そして気付くことが出来れば事前に少し先の未来を察知出来ますから、その後の流れを予測して動く事が出来ます。
是非、普段のチャート確認の際に活かして頂けたらと思います。
コメント
[…] 【FX】エリオット波動をかじる – エクステンション(拡張) […]
[…] の始点が1波目の始点です。3波がうまい事チャネルを突破してエクステンションしているので前々回のエクステンションの記事とマッチしているなぁなんて思って。理想の推進波ですね。 […]